こくほ随想

第10回 
AIにきいてみた

昨年(2023年)、社会的に最も大きなインパクトがあったものの一つが生成AIです。生成AIにより仕事のやり方も大きく変わりました。例えば、何か調べものをしたり、簡単な文書を作ったりする時にはまずは生成AIにお願いすると便利で時間短縮になります。

そこで、生成(対話型)AIの代表であるChatGPTに「日本の医療費を低下させることはできますか?」と聞いてみました。

回答は、「はい、日本の医療費を低下させることは可能ですが、そのためには総合的で戦略的なアプローチが必要です」とのことで、具体的には、予防医療の強化、医療技術の効率化、医療品質の向上、薬価の見直し、高齢者ケアの効率化、健康保険制度の見直し、電子健康記録の活用、健康意識の向上について説明がありました。さらに、「これらのアプローチは、単独で実施されるのではなく、総合的な戦略として組み合わせて採用することが効果的です。また、政府、医療機関、患者、保険会社など、多くの利害関係者の協力が不可欠です。医療費を削減するためには長期的な視野と計画が必要であり、持続的な努力が重要です」ということでした。

どういう情報を参考にしたのか、どのような文献を引用したのかわかりませんが、的を射た回答です。

Googleによる試用版の生成AIであるBardにも同じ質問をしたところ、「はい、日本の医療費は低下できます。日本の医療費は、2023年度で42兆円を超え、国民1人あたりの医療費も世界でもトップクラスとなっています。(中略)具体的には、以下のような取り組みが進められています」として、後発医薬品の積極的な使用、オンライン診療の推進、在宅医療の推進、医療費の自己負担率の引き上げを挙げていました。国民医療費は2022年度で46兆円なので、不正確なところもありますが、こちらもおおむねすばらしい回答です。

続いて、ChatGPTに「日本の国民健康保険の問題は何ですか?」と聞いてみました。

回答は、「日本の国民健康保険に関連する主な問題と課題は以下のようになります」として、財政的な持続性、費用分担の増加、地域差、予防医療への投資不足、高齢者向けのケア、医療技術の進歩、非効率性と官僚主義を挙げていました。

日本の少子化の原因についてもChatGPTに聞いてみました。回答として、高齢化社会、経済的な不安定感、働き方の変化、住宅事情、教育費用、社会的な圧力、出産・育児支援の不足を挙げていました。その通りですね。

教育の現場では生成AIの使用が問題となっています。特に、学生のレポートの評価は、生成AIの利用に注意しなければなりません。学校・大学によっては、レポートに生成AIを使用することを禁止しているところもあります。一方で、生成AIをうまく活用することも大事な能力の一つになっています。

さて、今年最初の『こくほ随想』ですから、「今年はよい年になりますか?」と質問してみました。

回答は、「私は予知能力を持っていないため、具体的な年や期間が良い年になるかどうかを予測することはできません」との前置きの後、「年が良いかどうかは、個人の経験、目標、努力、および状況に大きく依存します。良い年にするためには、ポジティブな態度を持ち、健康に気をつけ、目標を設定し、努力することが重要です。また、困難な状況に適切に対処することも大切です。どんな年であっても、自己成長やポジティブな変化を追求することで、良い結果を得る可能性が高まります」。

なかなか良いことを言いますね。ということで、今年が皆さんにとって良い年になりますように。

記事提供 社会保険出版社〈20字×80行〉

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