睡眠には、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠があり、夢を見るのはレム睡眠のときです。レム睡眠中は、いわゆる金縛り状態なので、通常は動くことはありませんが、夢の中での行動がそのまま異常行動として現れるのがレム睡眠行動障害です。
怖い夢などを見て大声を出したり、走り出そうとしたり、起き上がって隣に寝ている家族に暴力を振るったりするといった症状が代表的で、中年以降の男性に多く見られます。
パーキンソン病やレビー小体型認知症といった脳の病気との関連も指摘されていますので、まずは睡眠専門の医療機関で、脳波や呼吸運動、心電図、いびき音などのセンサーを装着して一晩中記録する終夜ポリソムノグラフィ(PSG)検査を受けることをおすすめします。PSG検査を行い診断がつけば、薬物治療で異常行動は抑えられます。
ベッドから落ちたり転倒したりしてケガをしないように寝室環境を整えることも大切です。また、過度なストレスによって症状が悪化する場合もあるので、自分なりのストレス解消法を見つけるとよいでしょう。
回答者:日本大学医学部附属板橋病院睡眠センター 吉澤孝之