口臭の原因となる歯周病は、成人の約8割がかかっている歯の生活習慣病です。歯垢(しこう)(プラーク)や歯石がたまると口の中で細菌が増殖し、次第に歯肉(歯茎)に炎症が起こります。最終的には、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が溶けて、歯を失う最大の原因になります。
初期には痛みや不快感がほとんどないのですが、歯周病が進んで歯を磨いたときや食べものをかんだときに出血したり、膿(うみ)が出たりすると、それ自体もにおいを発するので、口臭が203倍強くなります。
また、歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が405o以上の深さになると、歯周病菌による臭気物質の生成がより盛んになり、口臭が強くなります。
まずは歯科医院を受診し、歯石を除去するとともに、専門的な口腔内クリーニングを行うなど、歯周病の治療をしましょう。
毎日の歯磨きは、歯周病と口臭を予防するために不可欠なセルフケアです。就寝中は口の中の細菌が最も増える時間帯なので、朝起きたときと夜寝る前は、歯磨きを怠らないように。歯間ブラシなどでプラークを除去したり、濡らしたガーゼなどで舌の表面に付いた苔(こけ)(舌苔(ぜったい))を落としたりすると、より効果的です。口臭予防のうがい薬やガムなども上手に利用しましょう。
回答者:歯科 福岡歯科祐天寺院院長 平林秀敏
口臭対策になる食べもの