監修

せたがや内科・神経内科クリニック 院長 久手堅司くでけん つかさ

2003年東邦大学医学部卒業。2013年より現職。全国でも数少ない気象病外来、
寒暖差疲労外来を開設している。著書に『気象病ハンドブック』(誠文堂新光社)など。

突然やってくる!腰痛

腰だけが悪いわけではないことも

腰痛は病名ではなく、腰の周りの痛みや張りなど、不快な症状の総称です。春に腰痛が増える理由は主に三つあり、一つ目は「寒暖差」です。春は一日の中でも気温差が大きく、「寒の戻り」といわれるように急に寒くなる日もあり、体が対応できず血行が悪化。筋肉が硬くなり腰痛のリスクを高めてしまいます。二つ目は「運動不足」。寒い冬の間は体を動かす機会が減り筋力が低下していることもあり、春になって活動量が急に増えると腰に負担が掛かります。三つ目は「ストレス」です。新しい環境に慣れようと頑張っているうちに知らず知らずにストレスがたまり、腰の痛みとして現れる場合があります。

腰痛の原因は特定できないこともあり、日頃の生活習慣がリスクを高めていることも。ストレッチなどを小まめに行い腰への負担を軽減することが大切です。原因が思い当たらないときや痛みが悪化するときは、早めに整形外科へ。発熱や腹痛などを伴うときは、他の病気が隠れていることもあるので内科などの受診も検討しましょう。

座っていると楽に感じますが、実は立っているときよりも体に大きな負担が掛かっています。

左に紹介するような腰に負担が掛かりやすい姿勢や動作が多い人ほど、腰痛が生じやすくなります。デスクワークが多い人も、トイレや飲み物をとるタイミングで軽くストレッチをするなどし、同じ姿勢をとり続けないようにすることが大切です。

猫背や反り腰などの悪い姿勢は、腰に負担が掛かります。前かがみや中腰などが長時間続いたときは、腰を伸ばすなどして正しい姿勢に戻しましょう。

通勤時の最寄り駅から自宅までの往復や、休日の買い物など、日常生活の中で短時間でも歩く機会を増やしましょう。

全身が温まると、血流が改善され筋肉もほぐれます。湯船の中では浮力で筋肉の負担も軽減されるので、痛みがない場合は軽いストレッチなどもおすすめです。

過度なストレスや不安があると、腰痛の長期化や再発につながることも。おいしい食事や、好きな映画や音楽など自分なりのストレス解消法を見つけてみて。

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