乳幼児が、携帯型ゲーム機や家電製品などに使われるボタン電池を誤飲する事故が相次いでいます。
誤飲物の多くは、消化管を通り自然に体外へ排せつされます。しかし、ボタン電池の場合は、体内で放電して発生したアルカリ性の液体が、消化管の壁を傷つけ穴を開けることもあるため、処置は一刻を争います。日本では、9時間に及ぶ大手術で摘出したものの気管と食道に穴が開く例があり、海外では死亡事故も30件以上報告されています。
消費者庁が乳幼児の保護者3,200人余りに行ったアンケートによると、約8割がボタン電池の誤飲事故を知っていたにもかかわらず、全体の約6割は短時間で重症化することを知りませんでした。ボタン電池の誤飲や、誤飲の恐れがあった乳幼児の年齢は6割以上が1歳6カ月未満で、事故当時の状況は「電池交換等のために一時的に子供の目に付くところに置いていた」が最も多く、目を離したわずかな時間に事故が起こっているといえます。消費者庁では、ボタン電池を使う製品の管理を徹底し、誤飲した疑いがあれば直ちに医療機関を受診するよう注意を呼び掛けています。