アンチエイジング
image Anti-Aging 家庭でできるエイジングケア 血管年齢を若々しく!
監修・東海大学医学部教授(抗加齢ドック) 
高輪メディカルクリニック院長 
久保 明 
老化の元凶“活性酸素”に負けない生活習慣を身につけよう
 私たちの心身は、加齢によるさまざまな影響を受けています。それがトータルな形となって現れてくるのが「老化」です。そのスピードにブレーキをかけ、健康寿命を延ばそうというのが、「アンチエイジング」の基本的な考え方。中でも血管のアンチエイジングは大変重要なテーマです。

 なぜなら、血管の老化とはつまり動脈硬化にほかならないからです。動脈硬化とは、血管が硬くなったり、血管の内壁にコレステロールなどがたまったりして内腔が狭くなった状態。高血圧、脂質異常症、糖尿病など、ほとんどの生活習慣病と深くかかわっています。さらにメタボリックシンドロームが懸念されるなら、加速度的に動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中など命にかかわる病気に接近。実際、日本人の死因の2位と3位は心臓病と脳卒中ですが、これらの始まりはすべて血管の老化といっても過言ではありません。

 まさに「ヒトは血管から老いる」といわれる通りですが、同じ年齢でも人によって「血管年齢」は違っています。30歳代で血管がかなり硬くなっている人もいれば、70歳代でも血管がさほど硬くなく、血液がサラサラの人もいます。遺伝的な要素や生活習慣の違いなどもありますが、忘れてはならないのが、体内の活性酸素の影響。増えすぎると血管の細胞を傷つけるだけでなく、善玉コレステロールを酸化LDLコレステロールという悪玉に変性させ、動脈硬化を進めます。

 ですから、日常の生活では、動脈硬化を進行させるメタボリックシンドロームなどの予防・治療を心掛けるとともに、活性酸素の害から身を守ることが大切。体内で活性酸素の発生を止めることはできませんが、その活動を抑え込むことは可能です。まずは、下記の5カ条のうちできることを今日から実践していきましょう。

血管を活性酸素から守る5カ条 1.禁煙する 2.抗酸化作用のある食品をとる 3.ストレスと上手につきあう 4.睡眠を十分にとる 5.1日10分の運動を続け、深呼吸する時間をとる

最新のアンチエイジング医療では、酸化LDLコレステロールの測定や血管の画像診断ができるようになり、いま自分の血管がどれくらい老化しているかを知ることで、「血管のリスク管理」ができるようになりました。インターネット等で調べると、アンチエイジングドックを行っている医療機関がわかります。