安易な「スミマセン」に代わる、自分なりの言葉を探してみる

私は、あるとき、自分が「スミマセン」と言い過ぎていることに気づき、他の表現に置き換えるようになりました。しかし、日常には「スミマセン」が溢れています。お詫びする場面ではないのにもかかわらず、やたらと「スミマセン」「スミマセン」…。果たして、そこまで「スミマセン」を使う必要があるのでしょうか。

「スミマセン」で溢れた日常

「スミマセン」は本来、「お詫び」の言葉です。前述の場合で使われる「スミマセン」には、「恐縮です」「恐れ入ります」「お手を煩わせて申し訳ない」という気持ちが含まれているかもしれませんが、謝罪の意を伝えたいわけではありません。だとしたら「スミマセン」ではなくてもよいのでは?「スミマセン」には、なんとなくネガティブなイメージもあるため、もっと前向きで明るい言葉に置き換えられるならそれに越したことはないと思います。

それぞれの場面で「スミマセン」を使わなければどうなるでしょうか。

「スミマセン」を使わなかったら…

とりあえずの「スミマセン」をやめれば、本来の思いが伝わりやすくなる

イラスト

私たちはどんな場面でも、「スミマセン」を多用し過ぎています。時には、お詫びをしなければならない場面もありますが、たいていの場合は他の言葉で置き換えられるはずです。

特に、お礼を言いたいという場面などでは、「ありがとう」のほうがうんと効果的です。相手のために何かしてあげたとき、「スミマセン」と言われると、「謝らなくていいですよ」と思ってしまいます。しかし、相手から「ありがとうございます!」と言われれば素直にその言葉を受け止め、「いえいえ、こちらこそ」「どういたしまして!」なんて応じやすくなるのではないでしょうか。

とりあえず、なんとなく、使ってしまいがちな「スミマセン」。少しのみ込み、他の言葉に置き換えられないか考えてみるのも楽しいものです。「スミマセン」に代わる新しい言葉を見つけることで、きっと自分の表現力の幅も広がっていくでしょう。

田中 淳子(たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー。1986年日本DEC入社、IT技術教育に従事した後、コミュニケーションなどビジネススキル教育を手掛けるようになる。1996年から現職。著書に『はじめての後輩指導』(経団連出版)、『現場で実践!若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)など。

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