ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐことで、子宮頸がんの発症を予防する子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)。2価・4価ワクチンに加え、この4月から9価ワクチンが定期接種の対象となりました。
HPVワクチンは、同じものを決められた回数接種するのが原則ですが、2価・4価から途中で9価に変更する「交互接種」も差し支えないとされています。医師とよく相談して、方針を決めましょう。
HPVワクチンに限らず、注射や採血の際は、痛みによる反射で失神することがあります。今までに具合が悪くなったことがある方などは、事前に医師に伝えてください。また、接種後に接種部位の痛みや腫れなどの副反応が現れることもあります。気になる症状があれば、まずは接種した病院に相談を。状況により、全国の協力医療機関と連携して診療する体制も整えられています。
現在、定期接種の対象は、小学校6年〜高校1年相当の女子とキャッチアップ接種対象者(平成9〜平成18年度生まれ)です。キャッチアップ接種対象者は、自費で受けたHPVワクチンの接種費用が戻ってくる制度もあります。詳しくは住民票のある市区町村に確認を。
ワクチン接種に加えて、20歳からは定期的に子宮頸がん検診を受けて、より確実な予防につなげましょう。
回答者:稲葉可奈子 関東中央病院 産婦人科 医長