気になる症状Q&A

これって病気?どう治す よく起こる不快な症状や、ちょっと気になるからだのこと、毎日を元気に過ごすための対処法を紹介します。

朝起きて歩き始めると、足の裏の踵付近が痛む
朝起きて歩き始めると、足の裏の踵(かかと)付近が痛み、
しばらく歩いていると痛みが和らぎます。最近
始めたジョギングが原因でしょうか。
(56歳・男性)

起床後の歩き始めに足裏の踵が痛み、動いているうちに
痛みが改善するのは「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」かもしれません。
無理をせず、早めの受診をおすすめします。

 足裏の「足底腱膜」という組織が傷付き、踵から土踏まず周辺に痛みが生じる足底腱膜炎。起床後の一歩目に痛みを感じるのが特徴で、まだ軽症であれば歩くうちに痛みは和らぎます。その後、座った後の歩き出しなどに再び痛みが生じることも。
 主な原因は、長時間の立ち仕事や歩行、スポーツなどによる足の使い過ぎです。また、足に合わない靴や肥満(中年太りなど)で足に負担がかかっていると、発症しやすくなります。扁平(へんぺい)足や足首の柔軟性低下といった足の機能的な問題による場合もあります。
 ふくらはぎや足底腱膜をほぐすことで改善する場合もありますが、正しいケアを行うためにも早めの受診がおすすめです。治療では、痛みが強い時は湿布や塗り薬などで痛みを抑えてから、ストレッチなどを行います。足に合った靴に変えたり、靴の中に専用の中敷きを入れたりすることも。それでも改善しない時は、局部注射や患部に衝撃波を当てて血行を促進し痛みを和らげる治療もあります。手術もありますがほとんどが保存治療で改善します。
 まれに高齢者の場合は、骨粗しょう症で骨がもろくなり、踵を疲労骨折していることも。足裏の痛みは放置せずに受診してください。

回答者:菊池 恭太 下北沢病院 足病総合センター長

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