「ポリファーマシー」とは、複数の薬をたくさん服用していることを意味し、その結果、副作用が増えたり、正しく薬を飲めなくなったりすることを指します。
必要な薬の数や、薬が体に与える影響は個人によって異なるため、「薬が何種類以上でポリファーマシー」という定義はありません。しかし、薬による副作用は薬の数に比例するといわれており、高齢者では、処方される薬が6種類以上になると、副作用を起こす人が増えるというデータもあります。年齢が上がると複数の病気を持つことが多く、薬の数も増えがちです。また、加齢により薬が効き過ぎてしまうことも。そのため、高齢者は特にポリファーマシーに注意が必要です。
ポリファーマシーを防ぐには、自分が服用している薬の情報を、医師や薬剤師にきちんと伝えることです。おすすめは、お薬手帳を一冊にまとめて提示すること。複数の医療機関に通っていても、薬の重複や飲み合わせなどを確認してもらえるため、より安全に薬を使用できます。また、1つの病気で複数の医療機関を受診したり、むやみに薬を欲しがったりしないことも大切です。
もし、薬について不安なことなどがあれば、自己判断で内服をやめたり、薬の量を調整したりせず、まずは医師や薬剤師に相談しましょう。
薬をきちんと内服しているのに以下のような症状がある
・物忘れ ・目まい、ふらつき
・食欲低下 ・気分が沈む ・排尿障害
薬の種類や量が多過ぎて
・飲む時間が分からない ・飲む個数を間違える
・飲み忘れてしまうことがある など
回答者:矢吹 拓
国立病院機構栃木医療センター 内科医長