命にかかわる生活習慣病 心臓病

 心臓病は、がんに次いで日本人の死因の第2位を占めます。心臓病の多くは、食生活や喫煙、運動不足などの生活習慣によってもたらされます。発病の引き金となる悪い習慣を断ち切り、心臓病を予防しましょう。

心臓病の約半分は虚血性心疾患

2大虚血性心疾患

 心臓は血管を通じて血液を体のすみずみまで送り込んでいますが、心臓自身の筋肉(心筋)も、血液から酸素と栄養を供給されています。
 心筋に血液を送っているのが、心臓を取り巻く冠動脈です。冠動脈から心筋への血液の供給が減ったり途絶えたりすることを虚血といい、虚血によって引き起こされる狭心症や心筋梗塞をまとめて「虚血性心疾患」と呼んでいます。
 日本人の心臓病の約半分は虚血性心疾患で、突然死の最大原因としても注目されています。虚血の主な原因は動脈硬化。動脈硬化の原因には加齢もありますが、多くは生活習慣病と密接にかかわっています。危険因子を抱えれば抱えるほど、虚血性心疾患のリスクは高まります。

心臓病リスクチェック

予防・改善のポイント 動脈硬化を遠ざける!

 いちばんのポイントは、動脈硬化を防ぐことにあります。肥満、高血圧、脂質異常、高血糖を予防・改善する生活習慣に取り組みましょう。

血圧と
コレステロール
を正常に。
(太りすぎ、糖尿病には注意して)
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脂肪の摂取は、
植物性を中心に。
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食塩は調理の
工夫で、
無理なく減塩。
(1日6g未満を目標に)
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食品は、栄養バランス
を考えて。
(1日、30食品を目標に)
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食事の量は、
運動量とのバランスで。
甘いものには要注意。
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つとめて歩き、
適度な運動。
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ストレスは、工夫を
こらして上手に発散。
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お酒の量は、
自分のペースで
ほどほどに。
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タバコは吸わない。
頑固に禁煙。
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定期検診
わすれずに。
(毎年一度は健康診断)
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せっせと歩いて心臓をサポート

 足(脚部)の筋肉は第二の心臓といわれ、動かすことで静脈を外から収縮・弛緩(しかん)させ、血液を心臓へと送り返しています。血管の機能を強くして心臓をサポートするためにも、日常生活で1歩でも多く歩き、足の筋肉を使うことを心がけたいですね。歩くチャンスを積極的につくり、どんどん歩数を増やしましょう。

3階までなら階段で

illust エレベーターやエスカレーターの使用をやめてみませんか? できる範囲で、少しずつ実践を。

昼休みに歩く

illust 少し遠くの店までランチを食べにいくのもおすすめ。食後に散歩をすれば気分もリフレッシュ。

通勤や買い物は
公共の交通機関で

illust 自家用車やタクシーより、電車やバスを利用すれば、自然と歩数が増えていきます。

監修:砂山 聡(水道橋メディカルクリニック院長)