生活習慣病に負けないからだづくり

血圧の上昇を招く内臓脂肪。正常域でも高めなら要注意!

高血圧とメタボリックシンドローム

血圧をコントロールしている善玉物質の分泌が減る!!

高血圧の多くは、原因が特定できない本態性高血圧です。体質や加齢、塩分のとり過ぎ、ストレスなど、さまざまな誘因によって引き起こされますが、最近では、内臓脂肪の蓄積が大きく関与していることがわかってきています。


そのひとつが、脂肪細胞から分泌される「アディポネクチン」という物質の減少による血圧の上昇です。アディポネクチンは、硬くなりかけた血管壁を修復するなど、血管を柔軟に保つ働きをしている善玉の物質ですが内臓脂肪が増加すると、分泌量が少なくなるために、血管の弾力性が低下してもろくなると考えられます。また、内臓の脂肪細胞が増えすぎると、血圧を上昇させる「アンジオテンシノーゲン」という悪玉の物質の分泌量が増えるため、血圧はさらに上がりやすくなってしまうのです。

放っておくと血圧だけでなく血糖値も上昇する危険が…

また、アディポネクチンが減少すると、膵臓から分泌される「インスリン」の働きが低下します。さらに、腎臓から体外に排出するナトリウム(塩分)の量が減少し、血液中のナトリウム濃度が高くなります。その結果、血液中のナトリウム濃度を一定に保とうとして水分をとり込むため血液量が増え、血圧はますます上がるわけです。しかも、インスリンがうまく働かないので血糖値も上昇し、糖尿病のリスクまで高めます。


ですから、おなかが出てきた人は、血圧が少し高い程度でも、こうした相乗的な作用によってメタボリックシンドロームが進行しやすく、動脈硬化を促進し、心臓病や脳卒中の危険が高まるわけです。


メタボリックシンドロームの血圧の診断基準が、高血圧と診断される手前の「最高130mmHg以上、最低85mmHg以上」であるのも、そうした背景があるからです。日頃から血圧には十分注意をし、食事などの生活習慣の改善で、内臓脂肪を減らすことが何よりも大切なのです。

高血圧の人は、糖尿病にもなりやすい!

高血圧症の有無と糖尿病の保有率の関係を調査した結果、正常血圧者3.9%に対し高血圧症患者では10.7%。境界型を含めると高血圧症患者の約6割が糖尿病のリスクを有していることがわかりました。





※調査当時のWHO(世界保健機関)による基準では、正常血圧は140未満/90未満。高血圧というのは160以上/95以上で、その中間は境界域高血圧と呼ばれます。
*糖尿病とも正常ともいえない群で、糖尿病へ移行中の糖尿病予備軍も含まれます。