10月 うつ病(気分障害)

ストレス社会の中で、心の病に悩む人が増えています。心身に過度な負担が掛かり続ければ、どんなに強い人でも例外ではありません。誰もがかかる可能性のある心の病をわかりやすくご紹介します。

現代社会が生んだストレス病

 一時的に気分が落ち込む、やる気が出ない、などの状態は、誰もが一度は経験したことがあるでしょう。しかし、日常的な「憂うつ感」と「うつ病」は、同じではありません。
 うつ病の症状は、とても強く、長引くのが特徴です。最も基本的な症状は、強い憂うつ感や気分の落ち込みなど。心の活気が失われ、何事に対しても楽しむ気持ちが持てなくなり、意欲も低下します。自責の念や焦燥感、悲壮感、切迫感なども多く見られます。
 数値で明確に示すことはできませんが、日常生活に支障が出たり、本人が非常につらい思いをしたりするようになると、うつ病と診断されます。極端に強く、長引くようならうつ病を疑う必要があります。
 うつ病は、脳のエネルギーが一時的に不足し、いわばガス欠により脳のシステムがうまく機能しない状態ともいえます。決して脳自体に異状があるわけではありません。適切に対処すれば回復します。早く病気に気づき、適切な治療を受けることが重要です。

うつ病になりやすい人

こんな症状が2週間以上続いていませんか?

 次にあげるような症状のいくつかが2週間以上ずっと続いているなら要注意。ひとつひとつの症状は誰もが経験したことのある気分ですが、それらが一日中絶え間なく、長い期間続くようであれば、うつ病のサインかもしれません。

うつ病が現れる主な症状
治療の基本は、休養と薬

うつ病とアルコール

 憂うつ感を紛らわそうと飲酒を繰り返しているうちに、アルコール依存に陥ることがあります。実際に、うつ病と併発する心の病気で最も多いのがアルコール依存。同時に、アルコール依存の人には、うつ病が高い頻度で発症するともいわれています。
 過度の飲酒は体を壊すだけではありません。お酒に溺れたがために家族や社会から見放され、その憂さ晴らしにまた飲酒をし、さらにうつ状態が悪化し飲酒量が増える、などという悪循環も少なくありません。
 うつ病の治療のためには、きっぱりと断酒することが必要です。