「何か手伝って」と言われても…
    ~曖昧な言葉では伝わらない~

周囲を巻き込む、誰かにサポートを依頼する場合、「これをやってほしい」「このことで助けてほしい」と明確に伝えることが大切です。曖昧な依頼の仕方では、実際に何をすればよいのか、なかなか周囲には伝わりません。

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新入社員などいわゆる“新人”が入社してくると、先輩社員を育成担当としてあたらせるケースが増えています。しかし、新人指導をその育成担当だけの肩に背負わせてしまうと、新人は一人の指導しか受けられず、育成担当の負担も増えるといったデメリットがあります。新人を効果的かつ効率的に育てるには、育成担当は一人で抱え込まず、周囲の上司や先輩を巻き込むよう働きかけて、組織を挙げて指導することが必要です。

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育成担当が周囲を巻き込む際に、「何か手伝って」という依頼の仕方は得策ではありません。依頼された相手が気を利かせて「議事録の書き方で迷っているようだったから、教えておいたよ」と伝えたら、育成担当に「え?あれは、わざと放置して、どうやって書くか様子を見ていたのに、手出ししちゃったんですか?」などと言われる可能性があります。

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周囲に支援を頼みたい場合は、やってほしいことを明確に伝えてみましょう。

たとえば、「週報をチェックしてくれませんか」「会議に同席させてやってください」「システムの使い方を操作しながら見せてやってほしい」というように、依頼された相手が「何を教えればよいのか」「どういったことをすればよいのか」が具体的に理解できるようにします。

やることが明確であれば、周囲の人たちも新人の指導に関わりやすくなります。

頼みごとは具体的に!

ここまで新人指導の例でお話ししましたが、家庭でも同じです。親から「何かお手伝いして」と声をかけられると、子どもは自分が興味のあることをしようとします。すると、「あっ、それは触らなくていいから!!」と止められるかもしれません。これでは、せっかくお手伝いしようと思っても、余計なことをしないほうがよい、と子どもの心にブレーキをかけてしまう可能性があります。でも、「玄関から新聞をとってきてくれるかな?」などと具体的に頼むことで、子どももお手伝いをしやすくなるのです。

何かを頼む際は、できるだけ「具体的な行動」を伝えることがコツです。

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