こうあるべき、こうしなければならない、こうするのが普通…。自分の考えとその考えに基づいて口にする言葉によって、周りの人とぎくしゃくするだけでなく、自分自身も生きづらくなっていきます。
上記のような「べき思考」が習慣化している2人ですが、ともに自分が考えていることを周りの人がしてくれないことに苛立ち、悩んでいました。
さらには、「〇〇すべき」などと口にすることで、自分にも他人にも厳しくなり、がんじがらめになってしまいます。
Aさんは、同僚の退職により、仕事量が多くなっていたのに、「助けてほしい」と言えずに苦しんでいました。一方Bさんは、部下が携わっている最新技術についてどうしても勉強が追いつかず、「管理職として自分はダメだ」と思うようになりました。
その話を聞いた私は、各々にこう問い掛けました。
「すべき、しなければならない、などとよく口になさいますけど、それ絶対なのでしょうか?そうならないとどうなるんですか?」
この問い掛けにAさんは「え?私、すべき、って連呼してます?」と驚き、Bさんは「あ、別にどうもならないですね」とハッとしていました。
「〇〇すべき」「〇〇しなければならない」「普通は○○」…。このような言葉が口ぐせになっている人は、「そうあることは望ましいが、そうでなくても構わない」「大事だと思うものの、できないこともあるだろう」と、完璧主義を緩めてみてはどうでしょう。それだけで、人生はうんと楽に生きられるようになります。
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