「褒める」って難しい!?~褒め上手への近道~

自分の部下を褒めたいけど、どう褒めたらいいのかわからない。そんな上司の方は案外多いものです。ではいったい、どうすればいいのか……。そのヒントは「無理に褒めようとしない」という逆転の発想にあります。

イラスト

自分が上司や先輩からあまり褒められたことがないまま、部下を持つようになると、褒め言葉のストックを持ち合わせていないこともあって、部下にもダメ出し中心になってしまうようです。確かに褒められた経験が少ないと、「自分が褒めたことで部下がやる気になる」ということは想像しにくいかもしれません。

とはいえ、“褒められなかったこと”を嘆いていてばかりで、部下のモチベーションを上げられないというのは、お互いにとってつらい状況です。もっと気軽に、日常的に褒めるためにはどうすればいいでしょう。

「褒める」というと、相手がとても素晴らしいことをしてくれた際に、「すごい!」「さすが!」と称賛するようなイメージがあります。しかし、それでは相手を褒めることが重い行為に感じられ、褒める機会は減ってしまいます。そこで、「褒める」からいったん離れ、相手を「認める」と捉えてみてはどうでしょう。

「認める」とは、相手の行動そのものに焦点を当てることです。資料作りの例であれば、部下が資料を提出したときに「締切に間に合ったね」「無事にできたね」などと言うのが「認める」ことになります。

イラスト

これらのセリフは基本的に事実を列挙しているに過ぎません。それでも、こうした言葉をかけられて、認められた部下は嬉しく思うものなのです。

無理に褒めずに、相手を「認める」

上司からのダメ出しにより、部下は自分の行動や考えに対する改善点に気づくことができます。一方で、「よかった点」「できていること」も上司からの指摘がないとなかなか認識できず、「すべきことの基準」を持つことが難しくなります。

だから、無理に褒めようとするのではなく、目の前の部下がしていること、言っていることを、とにかく事実そのままに「認める」。これだけでも、部下は「これはしていいことだったんだな」「これは発言としてOKなのだな」と理解できます。自分の行動が認められれば、部下は「報われた」と思い、「もっとがんばろう」「より高いところを目指そう」と前向きになれます。「認める」ことは、それくらい相手に大きなパワーを与えるものです。

褒め言葉がなかなか思いつかないという上司の方でも、目についたちょっとしたことを部下に伝えるだけならすぐに実践できるでしょう。

イラスト

メニューへ戻る

Copyright (C) 社会保険出版社 All Rights Reserved.