「いつかやる」はいつやるの?~やる気が出るのを待たない~

目の前にある仕事、休日に片付けようと溜めていた雑用、自分がやりたくて始めた趣味。やる気が出ないときに、何かしら理由をつけて、「いつかやるから今日はいいや」と物事を先延ばしにしていませんか。

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やる気が出ずに物事を先延ばししてしまうことは誰にでもあります。もちろん、本当に疲れている場合や体調を崩している場合などは、無理してすぐに取り組む必要はありません。しかし、心の中では「やらないといけない」と思いつつ、「暑いから」「疲れたから」などと理由をつけてやらなかった場合に、「やらなかった」ことを気にしてしまうと厄介です。

「今日はやらない!」と意志を持ってやらないのであれば、気に病まないはず。「暑かったからしょうがない」「疲れたから、まあいいのだ」などと、自分で自分の行動に言い訳を探していることに実は気づいているから、「やらなかった」ことが気になり続けるのです。この状態を繰り返し、受動的にやる気が出るのを待つことは、実際にやり始めるまでに時間がかかり、かえってストレスになります。

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先延ばしする癖をやめるために有効なのは、「とりあえず動く」ことです。例えば、「暑いからジョギングはやめておこう」となる前に、とりあえずシューズを履いて、外に出てみます。走らなくてもいいから、一歩足を踏み出す。そうすれば、何歩、何分かは歩くことができ、結果的には小さな「達成感」を味わうことができるかもしれません。

気になることがあれば、「とりあえず動く」。これは人間関係においても同じです。

以前、私には大変お世話になった恩師の訃報に気づかず、葬儀に駆けつけることができなかった経験があります。連絡の行き違いで、訃報を知ったのは葬儀が終わって数カ月後。その時点でお別れが言えなかったことを後悔したものの、すぐに動くことができませんでした。

それから2年近く、ずっと頭の片隅で気にしていましたが、ある日、思い切って恩師の奥様に連絡をしてご自宅に伺いました。もっと早く挨拶できればよかったと反省し、奥様にそのことを伝えたところ、「気にかけてくださりありがとうございます」と笑顔で言われました。後悔する気持ちが消え、心がすっと楽になった瞬間でした。

先延ばしせず、一歩踏み出す!

いつか親孝行をしよう、時間があったら懐かしい友だちに会ってみよう、あの人に連絡してみよう。日々の生活や仕事に追われ、「いつかやる」と思いながらも実現しないことがあるでしょう。電話やメールをするだけで実現することかもしれないのに、重い腰はなかなか上がらないものです。

物事の先延ばしなら何とか取り返しがつくかもしれませんが、人間関係の先延ばしは後からでは取り返しがつかない場合があります。何事も先延ばしせず、思い立ったら、ほんの一歩踏み出すことが大切です。

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