アンチエイジング
image Anti-Aging 家庭でできるエイジングケア まず脚の筋力アップを!
監修・東海大学医学部教授(抗加齢ドック) 
高輪メディカルクリニック院長 
久保 明 
 私たちの体内ではわかっているだけで100種類以上のホルモンが分泌されており、血流によって特定の器官に運ばれ、その細胞や器官をコントロールしています。ホルモンは多すぎても少なすぎても問題で、通常は一定の量を保つよう自動的に調整されていますが、加齢に伴ってさまざまな変化が現れてきます。中でも「成長ホルモン」と「性ホルモン」は、年齢とともに確実に分泌量が減っていくホルモンの代表で、ともに老化を診断する際の重要なバロメーターになります。

 脳下垂体で分泌される成長ホルモンは、骨や筋肉の発達を催促する、子どもの発育に欠かせないホルモンです。成人においても、脂肪の分解やエネルギーの代謝の促進などに重要な働きをしており、その分泌量が減ると、動脈硬化が進みやすくなりますが、補充によりアンチエイジングが可能か否かは議論の多いところです。

筋肉分布図  性ホルモンは、男性ホルモンと女性ホルモンがよく知られていますが、より注目したいのは、副腎皮質でつくられる男女共通の「DHEA-S(デヒドロエピアンドロステロンサルフェート)」という性ホルモンです。DHEA-Sは男性ホルモン・女性ホルモンのもとになるホルモンですが、それぞれの分泌量に影響し、血圧を下げたり、糖尿病や骨粗しょう症を改善したり、免疫力を高めて炎症を抑えるなど、健康を維持するうえで大切な役割を担っています。

 これらのホルモンの分泌量が減る大きな原因は加齢ですが、その減り方には個人差があり、生活習慣の改善などによってホルモン年齢を実年齢よりも若く保つことは可能です。ホルモンの分泌を促すためには、まず、下に挙げた3カ条から始めてください。